道路交通法の目的


概要

道路における交通の安全を図り、また、全人に共通の交通規則を定めて道路における交通の円滑を図ることが道路交通法の目的です。

道路交通法第1条 この法律は、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図り、及び道路の交通に起因する障害の防止に資することを目的とする。

解説

もし道路交通法がなかったらどうなるでしょうか? 例えば自動車同士がすれ違う時のことを考えてみます。我が国の道路交通法では車両に対して「左側通行」を定めていますから、対向車を右手に見ながらすれ違うことになりますが、もしこのルールがない場合にはその都度どちらの車両がどちら側を通るか合意を形成した上ですれ違わなければならなくなるでしょう。しかしそれでは面倒ですので、あらかじめ道路交通法で左側通行のルールを決めておいて交通の円滑を図っていることがわかります。さらに左側通行と決めておくことで車両同士が正面衝突する可能性が低くなり、交通の安全も確保されていることがわかります。このように道路交通法によって全人に共通のルールを定めておくことで交通の「安全」と「円滑」が図られるわけです。

この道路交通法の理念を実現するためには、各人が自分勝手な判断をすることなく、愚直に交通規則を守ることが重要になってきます。勝手な解釈で法を逸脱すること(例えば速度超過)は、道路交通法の目的を真っ向から否定する行為であると言えます。道路交通法第1条は「交通の円滑を図るために個々人が法を逸脱する行為を行ってもよい」とは一言も言っていないことに注意しましょう。むしろ道路交通法第1条が目指すところはこの対極にあります。(ただし交通の「安全」を図るためであれば「安全運転の義務」によって法を逸脱することが認められています。)

以上を踏まえて、道路交通法第1条をもう一度読み直してみましょう。